総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜


 それに、気のせいか……いや、気のせいとは思えないほど、ふたりの声色が優しい。

 今までは話す言葉にいつも棘があったのに……今日はさっきからなんていうのか……あ、甘い。



「……は?」

「えっと、どうしたふたりとも」



 拓ちゃんと海くんもふたりの違和感に気づいたのか、顔が引きつっていた。



「はー、何が?」

「別にどうもしてないけど」



 ふたりに対してはいつもどおりの声色というか、棘のある言い方で返事をした弥生くんと華生くん。

 ますます訳がわからず、頭上にいくつものはてなマークが並んだ。



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