総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「てめーら、なんでわざわざ由姫の隣歩いてんだよ」
拓ちゃんがはっきりとそう問いただすと、ふたりは口を揃えて答える。
「「だって、俺ら由姫と仲良くなりたいもん」」
「えっ……?」
私と……仲良くなりたい……?
や、弥生くんと、華生くんが?
と、突然どうしたの……!?
驚愕の発言に、目を見開いてふたりを交互に見た。
だって、ふたりは私のことどちらかというと嫌いというか、目の敵にしていたはずじゃ……。
「……どういう風の吹き回しだ?」
不機嫌を隠す気のない拓ちゃんが、低い声を出した。
「別に、何もないし」
「ひ、氷高には関係ないだろ」
若干拓ちゃんに怯えているのか、上ずった声で言ったふたり。