総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「……おい、いよいよ殺される覚悟できたらしいな……」
パキッと手の骨を鳴らした拓ちゃんに、弥生くんと華生くんは両はしから私の腕に抱きついてきた。
「ひっ……ゆ、由姫、助けてっ」
助けを求めてくるふたりに、私は開いた口が塞がらなくなる。
ほ、ほんとにどうしたんだろうっ……!
というか、さらっと名前で呼ばれてるっ……。
今まではお前とか、地味メガネとかだったのに……な、何があったんだろう?
突然の変化についていけず、頭の中は混乱状態だった。
「……っ! 由姫に触ってんじゃねーよクソカス双子が!!」
拓ちゃんが、ふたりに殴りかかりそうな勢いで怒り出した。
「た、拓ちゃん、落ちついて……!」
怯えているふたりがかわいそうで、慌てて拓ちゃんを止める。