総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜


 授業が終わって、みんなで少し勉強会をした。

 弥生くんと華生くんが熱心に聞いてきたので、ずっと教えていた。

 今までは、私が教えようとしても「いらない」と断れていたから、少しうれしかった。

 拓ちゃんがいつも以上に不機嫌だったけど……これからもっとみんなと、仲良くなれたらいいな。

 拓ちゃんとふたりが仲良くなってくれるのが、一番うれしいけど……あはは。

 今日は荷物が重たかったから、いったんカバンを置きに家に帰る。

 夕飯の買い出しをするため、財布だけ持って家を出た。

 すると、今帰ってきたらしい蓮さんが家に入ろうとしているところに遭遇した。



「あっ、蓮さん」



 こんにちはと挨拶をすると、蓮さんは家のドアを開けたまま私のほうを見た。



「何してんの?」

「今から夕ごはんの買い出しです!」

「晩メシ?」



 こくりと頷くと、蓮さんは「へー」と声を出した。


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