総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
生徒会長
理事長室を出て、舜先輩が案内してくれるままあとをついていく。
ちらりと舜先輩の横顔を見つめながら、ふと思った。
「先輩って、彼女とか好きな人はいないんですか?」
さっき、女の子を名前で呼ぶことが珍しいみたいな言い方してたけど……舜先輩くらいのキレイな人なら、彼女のひとりやふたり……って、ふたりはダメか。
「……恋人はいない。……けど、ずっと気になっている奴はいる」
え?
舜先輩が、片想い……?
こ、こんなにキレイな人がっ……! すごくモテそうなのに……!
「舜先輩なら、きっと相手の子もすぐに振り向いてくれると思いますよ」
小さくガッツポーズをして、本心を言った。
けれど、舜先輩は一瞬、苦しそうに顔を歪めて、口を開いた。
「いや、そいつには今付き合ってる奴がいるんだ」
……っ。