総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜


「授業なんか受ける意味ないからな」



 ふわっとあくびをした蓮さんに、私は開いた口が塞がらない。



「え、えっと……教わってもないのに、わかるんですか?」



 結構な難易度の問題ばかりなはず、だよね……?



「あんなん、ひととおり見ればわかるだろ」



 本気で言っているらしい蓮さんに、私は言葉を失った。

 すごい……天才って、きっとこういう人のことを言うんだ……。

 蓮さん、高校に通う必要、ないんじゃないかな……ははっ……。



「じゅ、授業は受けてるんですよね?」

「……たまに」

「た、たまに?」

「心配しなくても、留年するわけにはいかないから提出物は出してる」

「最低限出席もとってるし」と続けた蓮さんに、苦笑いを返した。

「すごいですね……」



 もう、なんて言っていいのやら……。

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