総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜

 朝の6時に家を出た。

 早すぎる気もしたけど、こんな広い校内を回るには2時間じゃ足りないくらいだと思う。

 まずは、別館にある図書館から。

 わ~……!

 すごい本の数に、圧巻される。

 県立図書館みたいな広さだ……!

 小説から参考書、辞書や新書まで種類はさまざまで、古いものから新しいものまで並んでいる。

 一度じっくり、休みの日に読みに来たいなっ……。

 私はそのあとも、校内のいろんな場所を回った。

 あっという間に1時間がたち、次はどこへ行こうかなと思っていた時だった。



「今日こそ、西園寺蓮を潰すぞ……!」



 人の声が聞こえ、慌てて近くの壁に隠れる。

 って……今、西園寺蓮って言った?

 蓮さんの、ことだよね……?

 私は壁に隠れたまま、話の続きを聞こうと耳をすませた。



「あいつ、最近ぼーっとしてんだよ」



 蓮さんが、ぼーっと……?


< 303 / 347 >

この作品をシェア

pagetop