総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜


 あれ……今日はマスクしてない。



「どっちがどっちでしょう?」



 え?

 にやにやと口角を上げながら聞いてくれるふたりに、私は指を指して答える。



「左が弥生くん、右が華生くん」



 ふたりは、私の答えにこれでもかとうれしそうに笑った。



「「正解っ!」」



 ぎゅっと、抱きついてくるふたり。

 そんなに喜ぶことかなと思ったけど、うれしそうだから、私も頰が緩んだ。



「……え、由姫……なんでわかったんだ?」



 振り返ると、視界に映ったのは目を見開いてこっちを見ている海くんの姿。

 拓ちゃんも、驚いた表情をしていた。



「ふたりとも、雰囲気とかでわかるよ」

「マジかよ……」



 海くんが、ありえないとでも言いたそうな目を向けてきた。


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