総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
不良退治
その日はいつもどおり午前の授業を受けた。
お昼休みになり、ふぅ……と息を吐く。
……よし、行こうかな。
「ごめんねみんな……ちょっと行かなきゃいけないところがあって、先に食堂へ行っててもらえないかな?」
いつもお昼休みに入ったらすぐみんなで食堂に向かうため、そう伝える。
急いで行こうとしたけど、弥生くんに手を掴まれた。
「どこ行くの?」
「俺たちもついていく!」
「黙れ! 離れろ!! 由姫の付き添いは俺だけで十分なんだよ!!」
ついてきてくれようとしている3人に、「ごめんね」と謝った。
「先生に話があるだけだからひとりで大丈夫だよ……! すぐに食堂に行くから……!」
そう言って、逃げるように教室を出た。
今朝、下見した西館の地下。
走って西館に行き、地下に入る前に立ち止まる。