総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
初恋
【side蓮】
最近、俺の頭の中のほとんどを由姫が占めていた。
何をしていてもどこにいても、いつの間にか考えているのは由姫のことばかり。
なんでだ。誰かのことが頭から離れないなんてことは生まれてから初めてで、戸惑いを隠せなかった。
でも、嫌な気分ではない。
由姫のことを考えている間はどうしてか、自然と心が安らいだ。
相変わらず眠れない日々を送っているのに、由姫が同じ空間にいる時はあっさりと眠りに落ちた。
どうしてしまったんだ俺はと思わずにはいられなかったが、その答えは考えても一向に出ない。
そんなある時――ようやく、その答えが出る日が訪れた。
「お前、最近やけにぼーっとしてるな」
舜に言われ、驚いた。
自覚はあったが、そんなにか。