総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜


 ぼーっとというか、無意識のうちに由姫のことを考えてしまう。

 由姫の笑った顔が、頭から離れない。

 側からみたら、絶対にかわいいという部類に入る奴ではないと思う。

 それなのに……俺には由姫の笑顔が、かわいく見えて仕方なかった。



「近頃、噂になってるそうだぞ。『西園寺をやるなら今だ』ってな」

「あ?」



 どういう意味だ?



「今までまわりに神経尖らせてたお前が腑抜けたツラしてるから、fatalの下っ端が狙ってるらしい」

「……あっそ」

「余裕だな」

「あんな雑魚、何人でこられても病院送りにしてやる」



 俺の答えに、舜は「そうだろうな」と笑った。



「ついでにいいことを教えてやる」



 意味深な言い方をした舜。どうせしょうもないことだろうと思うと、あくびがこぼれた。


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