総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
まるで舞っているかのように軽々と、隙がないほど俊敏な動き。
あんな弱そうなのに強いというギャップも、また心惹かれた。
あいつ……ほんとに、何者だ。
知れば知るほど、謎だけが深まる。
只者ではないということだけしか、わからなかった。
ここにいたのは、偶然か?
いや……そんなふうには見えなかったし……いったいなんで、ここに来たんだ。
考えてもわからないなら、本人に聞くしかない。
今日の放課後に問い詰めてやろう。
そう思いながら、俺は少しの間その場でぼーっとする。
さっきの光景が衝撃すぎて、頭が回らなかった。
――ブー、ブー。
スマホが震えて、ゆっくりと画面を確認する。
“舜”と表示された画面に、一瞬出ようかどうか迷いながらも、受信ボタンを押した。
《生きてるか?》
「……」
《……おい、まさかやられたのか?》
「……」
《っ、今からすぐにそっちへ向かう……!》
……なに焦ってんだこいつ。