総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「そ、そんなことないですよ? し、視力が相当悪いので、この厚さが妥当です!」
「ふっ、妥当ってなんだ。やっぱり面白いなお前」
面白そうに笑う先輩に、ほっと胸を撫で下ろす。
まさかメガネに助けられるとは……話が切り替わってよかった……。
「……あ、そういえば、理事長が言ってた裏の説明って……?」
「ああ、そうだな。その説明をしなければな……」
ふと思い出して質問した私に、舜先輩は話を始めた。
「この学園は、2つの勢力に分かれている」
「2つの……勢力?」
もしかして……。
一瞬にして、舜先輩が何を話そうとしているのかがわかった。
「暴走族、ってわかるか?」
――やっぱり。