総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜


 由姫のことは他の奴と違うと思っていたからこそ、わざわざ言いにくる由姫を受け入れたくなかった。



「あの……」



 由姫は顔色を伺うように、俺のほうを見てくる。



「蓮さん、風邪まだ治ってないんですか……?」



 ……は?

 心配そうにこっちを見てくる由姫の姿に、拍子抜けしてしまう。

 そんなことを、言いに来たのか……?



「いや、治ったけど……」

「あっ……そうなんですか!」



 由姫は、俺の返事にほっとしたように胸を撫で下ろした。



「よかったです……! 昨日様子が変な気がしたので、もしかしたらぶり返したり、長引いてるのかなと思って……」



 まるで心底心配したみたいな言いかた。

 ……違うだろ。


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