総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「全部見てたって言ったら?」
「……へっ……」
「お前、なんで地下なんかにいたんだ?」
「……っ」
さすがにもう嘘をつけないと思ったのか、由姫は観念したように、しょぼしょぼと身を縮こめた。
「う、嘘……気配なんて、感じなかったのにっ……」
「で? 俺の質問の答えは?」
さらに問い詰めると、由姫は申し訳なさそうに俺のほうを見てくる。
「……よ、余計なことをして、すみません……」
眉の端を下げている由姫の、考えていることがまったくわからない。
「別に怒ってない。俺は理由が知りたいだけだ」
どうして……あの場にいたのか。
「あの……じつは今朝、偶然蓮さんを袋叩きにするっていう彼らの計画を聞いてしまって……」
やっぱり、由姫はその計画とやらを知っていたらしい。