総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
いや……そんなこと、倒れたところを助けられたあの日からわかっていたはずだ。
由姫は――特別だって。
「……なんなのお前」
バカじゃないのか……。
もしお前がやられてたら、どうするんだよ。
風邪なんかもうとっくに治ってんのに、何人の心配ばっかりしてんだ。
なんの見返りも求めず、俺と接してくれたのは……由姫が初めてだった。
こいつが欲しい。
――好きだ。
感じたことのない途轍もない感情が、一気に押し寄せてくる。
自分の中にこんな気持ちがあったのだと、初めて知った。
俺は無意識のうちに、由姫に手を伸ばしていた。
そっと、キレイな頰に手を重ねる。