総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「あいつらやっつけてるお前、キレイだった」
本当に、見惚れるくらいキレイだったぞ。
でも、あんまりケンカはするな。心配だから。
何かあっても……お前のことは俺が絶対に守るから、黙って守られていてくれ。
「え?」
由姫は俺を見ながら、驚いたように目を見開いた。
……ダメだ、抑えられない。
衝動的に、小さな体を抱きしめた。
お前がずっと俺の頭から離れなかったのは……こう言うことか。
知らない間に、骨抜きにされていたのかもしれない。
恋愛なんかしたことねーから、気づかなかった……。
「……ごめん」
ぼそりと、耳元で呟いた。
お前を一瞬でも疑ったこと、どうしても謝らずにはいられなかった。
どうせ他の奴と同じだなんて、考えてしまった自分を殴りたい。
お前は俺に心配をかけまいと、隠し通そうとしてくれたのに。