総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「由姫、ちょっと待ってろ」
……ん?
蓮さんは、自分の部屋へと入っていった。
不思議に思いながら、言われたとおりに蓮さんを待つ。
少しして、戻ってきた蓮さんの手にはかわいらしい包装の箱が。
「これ」
差し出されたそれを、反射的に受け取った。
「え……これ、プリンですか?」
箱の包装に書かれていたのは『pudding』の文字。
「親戚がたまに菓子とか贈ってくんだよ。その中に入ってた。前に好きって言ってただろ?」
え……。たしかに、言った気がするけど……そんなことを覚えていてくれたんだ……!
「うれしいです……! ありがとうございます!」
プリンは大好物だから、とってもうれしい。
喜ぶ私を見て、蓮さんがくすっと笑った。