総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
 言われ慣れていないセリフに、たとえお世辞だとわかっていても顔に熱が集まってしまう。

 きっと今、私の顔は真っ赤に違いなかった。



「とにかく、俺以外は簡単に入れるなよ。わかったか?」

「あ……えっと、はい……」



 釘をさすように言ってくる蓮さんに、赤い顔を見られないよう俯いたまま返事をする。



「ん。わかったならいい」



 蓮さんの、満足げな声が返ってくる。

 はぁ……お世辞だってわかってるけど、私も一応女子、だから……照れてしまう。

 顔の熱を冷ますように、パタパタと仰いだ。



「れ、蓮さんは、紅茶とココアとコーヒー、どれがいいですか?」



 できるだけ平静を装ってそう聞く。



「じゃあ、コーヒーで頼む」



 コーヒーか……なんだか大人だな。

< 336 / 347 >

この作品をシェア

pagetop