総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「どうしても西園寺学園に行きたいの……ダメ?」
「うっ……!! か、かわいい……!」
また変ことを言ってるけど、お願いすれば、お父さんはNOとは言えないのを私は知っている。
昔からお父さんは、私と輝にはこれでもかというくらい甘い。
「し、仕方ない……寂しいけど、由姫のお願いを断るわけにはいかないからな……」
だばーっと勢いよく涙を流しながら、そう言ってくれたお父さん。
「ありがとう! お父さん大好き!」
えへへ、お父さんが優しくてよかったっ……。
「ゆ、由姫……! お父さんも大好きだ! ……で、でも、いくつか約束してくれないか?」
「約束?」
いったいなんの……?
首をかしげると、お父さんは「ちょっと待ってくれ……!」と言って別の部屋へと走っていった。
すぐに戻ってきたお父さんが手に持っていたのは……小さな箱。
お父さんは、それを私の前でパカっと開いた。