総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
その笑顔に大人の色気のようなものが垣間見えて、この人はきっと人気なんだろうなとすぐに察することができる。
悪い先生ではなさそう。し、失礼なことは言われたけどっ……。
「ここが教室だ」
先生の声に、ピタリと足を止める。そして【2ーS】という表札のある教室に、ごくりと息をのんだ。
「俺が呼んだら入ってきてくれ」
先に、先生が教室に入っていく。
どうか優しい人がいますようにっ……。友達ができますように……!
心の中でそう祈っていると、少しして「入ってこい」という声が中から聞こえた。
……よし。
ふぅ……と深呼吸をしてから、教室の扉を開けた。
ガラガラガラ、と、扉が開く音が響く。
教室の中はとても静かで、クラスメイトの視線は私に集まっていた。
わ……やっぱり、女の子は少ないんだ……。