総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「万が一の時に用意していたんだが……高校には、これをつけて通ってくれ」
箱の中に入っていたのは……。
「……え? 何、これ?」
ボサボサの黒髪のウィッグ……に、おっきいメガネ。あと……カラーコンタクト?
さっぱり状況がわからず、再び首をかしげる。
お父さんは、まるで苦渋の選択を強いられた人のように顔を歪め、口を開いた。
「そんなかわいい姿であんな危険な場所になんかやれないから……せめてこれをつけて学生生活を送ること! これが……お父さんからの絶対条件だ!」
ぜ、絶対条件って……。さすがにこれは……あはは。
たしかに、私は色素の薄い桃色の髪で目は青いから、一見、悪目立ちしてしまう。
カラコンとウィッグに、メガネも……か。