総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
あの人が例の問題児……?
後ろの空いている席に向かう彼を見ながら、私はなぜか懐かしさを感じた。
どうしてだろう……初対面のはずなのに……。
どこかで、会ったことがあるような……誰かに、似てるような……。
じっと見つめていると、彼が私の視線に気づいたのか、こっちを見た。
すると、不機嫌そうに目を細め、鋭い瞳に睨まれる。
「あ? なに見てんだよ、お前」
私の横を通りすぎながら言われ、はっと我に返った。
つい凝視してしまった……。
「氷高、女相手にそんな威嚇してやるなよ。こいつ編入生で、白咲由姫っていうんだ」
海くんは、私をかばおうとしてくれたのか横から言ってくれる。
目つきの悪い彼は、海くんの言葉になぜか驚いた表情を浮かべた。
「しらさき……ゆき……?」
私の名前を復唱した彼に、首をかしげる。