総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「うん!」
目の前の彼は、さっきの威圧的なオーラはどこにやら、満面の笑顔で頷いた。
まさか、拓ちゃんだなんて……。
拓ちゃんとは、私の幼なじみの愛称。本名は氷高。
つまり――目の前の彼は、私の幼なじみだ。
「わー……! びっくりした……!」
まさか、拓ちゃんがいるなんてっ……。
私の名前でわかったのかな……?
幼なじみだから、拓ちゃんは私の本名を知っているし、みんなの前では「サラ」と呼んでいたけど、ふたりの時は「由姫」と呼んでくれた。
たまに連絡は取っているけど、会うのは2年ぶりだ。
「俺のほうがびっくりしたって! ていうかなんでここにいんの?」
「今日から通うことになったのっ。拓ちゃんもここのクラス?」
私の言葉に、拓ちゃんは目を輝かせた。