総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「うん、よろしく……!」
うれしそうに言った編入生。
それにしても、メガネでかいな……顔が見えない。
かろうじて笑っているのはわかるけど、どんな目をしているのかはまったくわからない。
“頭のいい編入生”
その時までは、そんな印象だけだった。
氷高に連れられ、教室を出ていった由姫。
……なんだあれ。
俺は自分の目の前で起きていた光景が信じられず、思わず目を見開いていた。
“あの氷高”が……どこの族にも所属しない“孤高の一匹狼”と言われている氷高が、由姫の忠犬のようになっていたのだ。しかも、うれしそうな顔をして…。
どういう関係なんだ、いったい……。
ていうか、氷高って、あんな顔すんの……?
「なあ、氷高キャラ違うくないか……?」
弥生と華生に言えば、ふたりも驚いたのか唖然としていた。