総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
まさか、氷高にあんな顔をさせられる人間がいるなんて。
「あの女、何者……?」
弥生の言葉に、俺は「ははっ」と乾いた笑みがこぼした。
どうしよ。すごい興味が湧いてきた。
これから……楽しくなりそうだ。
それにしても……。
『マジで……! 同じクラスとか、運命だなっ……! つーか、その格好は……?』
その格好って、どういう意味だ……?
まあ、これから少しずつ知ればいいか。
気になる存在ができるなんて――彼女以来だ。
俺の心の奥に棲みついている、彼女の存在。
この時の俺は、知る由もなかった。
まさか由姫が――その“彼女”本人だったなんて。
由姫の存在が、この学園に嵐を巻き起こすことになるなんて――。