総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
優しい幼なじみ
拓ちゃんに連れられてやってきたのは、屋上だった。
促されるまま、広い屋上のベンチに座る。
「なんで急に戻ってきたんだ……?」
聞きたいことがたくさんあるのか、拓ちゃんは焦り気味に聞いてくる。
私が編入してきたことに、相当驚いている様子。
って、それもそっか……。
「もともと数年で戻るつもりだったの……! 連絡もせずにごめんね」
引っごししてから、メッセージのやり取りはしていたけど、戻ってくることを伝えてはいなかった。
拓ちゃんにも直接会いに行こうと思っていたし、驚かせたかったから……。
「いや、謝らなくていいけど……また会えただけで、うれしいし」
そう言って、本当にうれしそうに微笑んだ拓ちゃん。