総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
私も、自然と笑みがこぼれる。
「けど、朝からマジでビビッた……」
「ふふっ。私も、拓ちゃんがこの学校に通ってるなんて知らなかった……!」
「俺、小等部からここだぞ?」
え? そうだったの……!
家が近所だったから、私立に通っているのは知っていたけど、詳しく聞いたことはなかった。
そういえば、さっき海くんが言ってた問題児って……。
……いやいや、拓ちゃんのわけないよね。
だって拓ちゃんはとっても優しいし、いつも笑顔で接してくれる。
きっと別の人のことだろう……うん、そうに違いないっ。
「……それで、その格好は? 由姫、目悪かったっけ?」
あっ……。拓ちゃんの質問に、苦笑いを浮かべた。
そうだよね、気になるよねっ……。
屋上だし、私たちしかいないから大丈夫だろうと、メガネとウィッグを取った。