総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「fatalのみんなにも、春ちゃんにもまだ言ってないよ……! 驚かせようと思って……!」
そう返事をすると、拓ちゃんはなぜか一瞬、安心したような、戸惑ったような表情をした。
「……そっか」
少し疑問に思った時、チャイムの音が校内に鳴り響く。
「あ、これ予鈴だよね? 早く教室戻らなきゃ……!」
「うん。戻ろっか?」
ふたりで屋上を出て、教室に戻る。
「由姫」
「ん?」
「困ったことがあれば、いつでも俺に頼って」
隣を歩く拓ちゃんにそう告げられて、頰が緩む。
「うん! ありがとう拓ちゃん!」
ふふっ、最初はどうなることかと思ったけど……
拓ちゃんがいてくれるなら心強い。
学園生活、楽しくなるといいなっ……。