総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「す、すごいな……! 由姫のかわいさが完全に隠された!」
「あらま、ここまで変わっちゃうのね~……これなら大丈夫かしら」
「たしかに、言われないとお姉ちゃんってわからないね、これは」
どうやら本当に別人になったようで、3人も納得してくれた様子。
春ちゃん、気づいてくれるかなぁ……あはは……ちょっと不安……。
『由姫がどこにいたって、俺が見つけてやるから』
ふと、昔春ちゃんに言われたセリフが脳裏をよぎった。
……うん、きっと大丈夫。
春ちゃんならきっとすぐに私だって見破って、びっくりしたって笑ってくれるはず。
“fatalのみんな”も、気づいてくれたらいいな……。
早く、みんなに会いたい。
自然と笑みがこぼれて、会える日が待ち遠しくなった。
待っててね春ちゃん。
私は恋人の顔を浮かべ、にっこりと微笑んだ。
波乱万丈な学園生活が待っているとは、知る由もなく――。