総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「由姫! これで隣の席だな!」
笑顔の拓ちゃんに、私は苦笑いを浮かべた。
「え、えっと……う、うん!」
い、今、完全に脅したよね……?
こ、こんな感じで勝手に席替えして、いいのかな……あはは……。
わからないけど、拓ちゃんがうれしそうだから言いづらいっ……。
とりあえず、私は自分の席についた。
「ずいぶんと懐いているみたいだけど、ふたりとも知り合い?」
隣の席の海くんが、笑顔で聞いてくる。
あっ……そうだよね、突然出ていったから……。
私と拓ちゃんの関係なんて、他の人は知る由もないだろうし。
「由姫に気安く話しかけるな」
答えようとした時、先に拓ちゃんが口を開いた。