総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「拓ちゃん、そんな言い方しちゃダメだよ……!」
威嚇するような言い方に、注意する。
「ご、ごめん……」
素直に謝ってくれた拓ちゃんは、しゅん……と肩を落とした。
耳が折れてしまったように見える拓ちゃんに若干の罪悪感を抱きながら、海くんに返事をする。
「私と拓ちゃんは幼なじみなの」
そう言うと、海くんは驚いた様子で言った。
「へー、それで仲いいんだね」
「うん!」
拓ちゃんは私にとって、もはや友達というよりも兄妹のような存在。
「氷高、今日は授業受けるの?」
「あ?」
海くんが、私を挟んで拓ちゃんに声をかける。
拓ちゃんはまた話しかけるなとばかりにガンを飛ばしていて注意しようかと思ったけど、それよりも海くんの言葉が気になった。