総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜
「「俺らは馴れ合わねーし」」
拓ちゃんよりも先に、双子が声を揃えて言った。
弥生くんと華生くんは息ぴったりなんだな……それにしても、ふたりの見分けがまだつかないやっ……。
本当にそっくりで……えっと、私の後ろの席が弥生くんで、海くんの後ろの席が華生くん、でいいのかな?
「うーん、氷高には基本的に話しかけても無視されるから、好かれてはないかな。まず氷高と話す機会がなかったというか、基本教室にいな――」
「お前それ以上、余計なこと言ったら殺すぞ」
再び、拓ちゃんが海くんの言葉を遮った。
さっき以上に殺気のこもった視線を向けられた海くんは、まったく動じることなく「あはは」と笑っている。
「普通のクラスメイトだよ」
拓ちゃんの答えに、「そっか」と頷いた。
あんまり仲がいいわけじゃないのかな?
でも、海くんは拓ちゃんと仲良くしたいみたいに見える。
っていうより、興味があるっていう感じかな……?