【女の事件】続黒煙のレクイエム
第12話
話し合いが平行線に終わったことに怒り狂っていたアタシは、仙台に戻った後につばきちゃんと会って、仙台三越(デパート)の裏手の通りにある居酒屋へ行ってお酒をのんでいた。

テーブルの上には、えだまめ・ささかまぼこ・マカロニサラダ・エビチリが置かれていた。

アタシは、冷酒をごくごくとのんだ後、つばきちゃんにこう言うた。

「ったく…吉浜のアホ支所長は何を考えとんかしらね…無断欠勤と遅刻と早退けばかりを繰り返しているゲジゲジ野郎をクビにせえへんなんて…ムジュンしているわよ…全く(ブツブツ)…アタシ…こう思ったのよ…吉浜のアホはね!!くっだらん男の約束のためにきよひこをクビにすることができんのよ…ああ!!思い出しただけでもイラつくわね!!」
「こずえちゃんの言う通り、吉浜はドアホ支所長よ…吉浜は、学生時代の時にきよひこの父親から何か言われたみたいね…おそらく…きよひこの父親は…吉浜に対して…吉浜が勤務しているJFに就職できるように働きかけてくれるかな…って…どうしてそんななれ合い主義が横行しているのだか…」
「たぶん…そのようね…」
「吉浜のドアホが言うてはる皆勤賞についても…うそくさい部分があると思うわよ…こずえちゃんは、吉浜がきよひこに与える皆勤賞は本当に皆勤賞だと思うかしら?」
「たぶん…名ばかりの皆勤賞だと思うわよ…皆勤賞と言うのは聞こえがよくて…本当は…きよひことちづるがイチャイチャしていることに腹を立てているだけなのじゃないかしら…」
「その通りよね…」

つばきちゃんはアタシにこう言うた後、えだまめをつまんで口にほおばっていた。

次の日の朝のことであった。

きよひこが勤務しているJFの支所に、さよこがやって来た。

さよこは、きよひこが無断欠勤と遅刻と早退けばかりを繰り返しているために気持ちが仕事に向かなくなったので、当分の間休職にしてほしいと吉浜さんに申し出た。

吉浜さんは、さよこからの申し出を聞いてビックリしたので、すっとんきょうな声で言った。

「休職…きよひこさんを休職させるって…」
「吉浜さん…きよひこさんは心身ともにヒヘイしていて…気持ちが仕事に向いていないのです…長期間休職するとは言うていません。少しだけでいいのです…あの…2週間…いえ、10日だけでもいいです…あの…本当に体を休ませないといけないんです…体力的にも限界が来ているんです…あの…10日だけでもいいからきよひこさんの休職をお願いできますか?」
「ああ、義姉(おねえ)さま…おっ…お気持ちは…よっよく分かりますが…」
「よく分かりますがって…どう言うことなのでしょうか!!きよひこさんの休職願いを受け付けることはできないと言いたいのでしょうか!?」
「受け付けないとは言うていないのです…」
「だったら受け付けてください!!」
「分かっていますよ…ですが…きよひこさんが休職をしてしまったら…困るのです。」
「休職されたら困るってぇ!?」
「本当に困るのです…うちの支所は人手不足で困っているのです…」
「人手が足りないと言うのだったら、本部の人間をここへ呼びなさいよ!!即戦力になる人なんて山のようにいるのでしょ!!」
「いるのはいるのですけど…そのようにするには、本部の了承を取りつけないといけないのです…それに…きよひこさんには、皆勤賞を受け取ってほしいのです…賞状を受け取っていただかないと、困るのですよ。」
「きよひこさんは『皆勤賞はウソっぱちだ…』と言うているので、受け取ることはできないと言うているのです。」
「こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、困りますよ…か、か、か、か、かい…かいき…ニッショク…ああ…言葉が…出ない…」
「要は、あんたはきよひこさんに皆勤賞を受け取らないと気がすまないと言いたいのでしょ…きよひこさんはこずえさんに暴力をふるって離婚をしたのよ…DV魔の男に皆勤賞を与えるなんてズレているわよ!!あんた人の話を聞いていないみたいね!!」

さよこと吉浜さんが言い合いをしている時に、岩手県本部の幹部職員3人が話があるから支所長に入れますと職員が言ってきた。

「支所長!!盛岡から本部の幹部職員3人がやって来ました!!」
「今はそれどころじゃないのだよ!!またにしてくれと言っておきなさい!!」

その時に、盛岡からやって来た本部の幹部職員3人が支所長室に入ってきた。

「そうは行きませんよ支所長!!今日は支所長にどぎついヤイト(お灸)をするために来ました!!」
「支所の職員さんたちの勤務態度が極力悪化をしているみたいなので、今日はどぎついヤイトを受けていただきます!!」

吉浜さんは、幹部職員3人に対してチッと舌打ちした後『何や!?ワシのどこが悪いと言いたいのだ!?』と逆ギレを起こした後、支所長室から逃げ出した。

「支所長!!吉浜支所長!!」
「あんた支所長のくせに職場放棄をするのですか!?」
「本部長、いえ東京の総本部に報告しますよ!!」

吉浜さんは、本部の幹部職員3人に対してあかんべーをした後、外へ逃げ出した。

吉浜さんは、夕方6時頃まで大船渡市内を逃げ回った後、JR大船渡駅の裏手にある酒場街の露地裏にある小さな居酒屋で酒をあおっていた。

吉浜さんは、約5時間に渡って酒をのみつづけていたのでデイスイしていた。

カウンターにいるおかみさんは、ぐでんぐでんに酔いつぶれている吉浜さんに怒った口調でこう言うた。

「あんたーね!!浴びるほど酒をのんでつまらないことばかりをグダグダグダグダグダグダ言わないでくれるかしら…何なのよあんたーは一体!!JFの本部の幹部職員にあかんべーをして逃げ出した後に逃げて逃げて逃げて逃げて…逃げ回って…なさけないわねもう…ちょいとあんたー!!」
「聞いているよ…オレだって一生懸命になって、日本の漁業のためにがんばってきたのだよ…それなのに何なんや一体…本部の人間はよってたかっておれのことを言いたい放題言いやがって!!ケッ…バーロー…本部の幹部職員がなんぼのもんじゃい…(グテー…)」
「あんたーね!!この最近…勤務態度が悪くなっているみたいよ…あんたーの勤務態度が悪いから職員さんたちが次々とあんたーに対して反感を抱くようになったのでしょ!!」
「分かっているよ…だけど…休ませてくれよ…」

吉浜は、いじけた声で言った後ごくごくと冷酒を一気のみした。

そして、となりの男性客のお酒に手をつけたので、トラブってしまった。

「オイ!!何しているのだよ!!人の酒に手出しをするなよ!!」
「何だよぉ…のませてくれよ…」
「のみたいのだったらおかわりくださいと頼めよ!!人の酒に手を出すなよ!!」
「何やと…オラオドレ!!もういっぺん言ってみろ!!」
「何やと!!やるのか!?」
「上等や!!かかって来いや!!」
「ああ、やってやら!!」
「あんたたち!!店の中で大ゲンカを起こさないでよ!!」

おかみさんは店の中で大ゲンカを起こさないでと言うたが、吉浜さんと男性客はドカバキの大ゲンカを起こしてしまった。

それから10分後に、パトカーのけたたましいサイレンが聞こえたので吉浜さんは店から逃げ出した。

この時、吉浜さんと男性客はノミ代を払わずに逃げたのでムセンインショクの罪でケーサツに追われることになった。
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