【女の事件】続黒煙のレクイエム
第18話
時は流れて2033年5月頃のことであった。

アタシは、レイプ事件できついはずかしめを受けてしまったことが原因で仙台で暮らして行くことができんなったけん、東京にいる知人のもとに転がり込んだ。

しばらくの間は、知人が暮らしているアパートの部屋にて暮らしていた。

アタシは、東京都内やさいたま・西川口・船橋・川崎などの東京近郊の街の風俗店を転々としておカネを稼いでいた。

38歳のアタシは、新しい恋を始めたいとか再婚をしたいとかお見合いをしたいと言う気持ちは全くなかった。

アタシは、この先も深い傷を背負ったまま生きて行くより他はなかった。

この先アタシは…

どうやって生きて行けばよいのかな…

話は、2033年5月の大型連休中の第1土曜日のことであった。

場所は、千葉県佐原市のJR佐原駅の近くにある居酒屋街の路地裏の居酒屋にて…

居酒屋の奥座敷には家事手伝いのまさよ(27歳)とまさよのジョシカイ仲間5人の女のコがいて、まさよの独身最後の女子会が行われていた。

まさよは、茨城潮来市で暮らしている父親の知人の男性の次男さん(33歳・外科医医大病院に勤務)と結婚をして家におむこさんを迎え入れることが決まっていた。

…と言うことで、まさよは独身最後の女子会を仲間たちと楽しんでいた。

事件は、二次会が終わった後、急いで家に帰宅をしようとしていた時に発生した。

まさよは、家は利根川を越えてすぐのところだから歩いて帰ることができると思って帰宅をしていた。

しかし、その時にゾンビのふくめんをかぶった男6人に取り囲まれてしまった。

そして、近くの公園の身障者用のトイレに連れ込まれた。

「何なの…イヤー!!やめて!!やめて!!」

まさよは、ゾンビのふくめんをかぶった男たちに身障者用のトイレに引きずり込まれた後、集団で犯された。

(ゴロゴロ…ドザー!!ドザー!!)

激しい雷鳴がとどろいた後、雨が激しい音を立てて降りだした。

そしてここから、新たな悲劇の幕が上がった。

そして、5月の大安吉日の第1日曜日の朝がやって来た。

場所は、茨城県潮来市内にある高級ホテルにて…

この日は、まさよと新郎さんの挙式披露宴が執り行われる日であった。

この時、まさよがまだ式場に到着していないのでどうしたのかなと思って、出席者のみなさまが心配をしていた。

新郎さんは、花嫁さんがまだ式場に到着していないので気持ちがひどく動揺していた。

そんな時であった。

新郎さんのスマホにメールの着信音が鳴ったので、何事かと思ってメールを開いて見た。

そしたら…

「ギャー!!やめて!!助けて!!(婚約者)さーん!!」

この時、まさよが泣き叫んでいる様子が聞こえていたので、新郎さんは一体何なのだと思って手が震えていた。

それから2分後に、再びメールが届いた。

わけのわからない英文字と数字が並べられているメアドで到着したメールにはこう書かれていた。

お前さんの花嫁さんの写メだよ…

この時、新郎さんは添付されていた写メのフォルダを開いて見た。

そしたら…

ボロボロに傷ついて恥ずかしい姿で亡くなっているまさよが写っていた。

新郎さんは、何なのだ一体と思って頭がサクラン状態におちいっていた。

それからまた2分後に到着したメールには、こう書かれていた。

あんたの花嫁さんが挙式披露宴前に女子会にうつつを抜かしていたその結果だよ…

この写メは本日午後1時よりオークションにかけますよ…

文章の後ろのカッコの中には『オークションにかければ百万単位で売れるかもよ…』と書かれていた。

そして、オークションにかけられたくなかったら、50万円分のビットコインをくれと書かれていた。

新郎さんはますます頭がサクラン状態におちって発狂したのと同時に、新郎さんのスマホがウイルスに感染してつかえなくなってしまった。

新郎さんのご家族は、新郎さんが情緒不安定におちいったので、挙式披露宴を取り止めると言うたけん、まさよの両親はパニックを起こしてしまった。

まさよがきついレイプの被害を受けて亡くなった事件について、まさよの両親が警察署に被害届を出して捜査のお願いをした。

しかし、まさよをシツヨウに犯して殺した容疑者の男のグループの身元が確定できる証拠がとぼしいことと亡くなったまさよの遺体がどこにあるのかが分からなかったので、千葉県警の捜査1課の刑事たちはいら立ちを募らせていた。

挙式披露宴が中止になったこととまさよが亡くなったことが原因で、花嫁姿を見たいと思っていた父親は悲しみに暮れて、酒びたりの毎日を送るようになった。

まさよの家にはふたりの兄がいるけど、ふたりともお嫁さんがいなかった。

家の中で一番上の兄・はるよし(43歳)は潮来市内の零細工場に勤務しているけど、どんなにがんばってもお給料が上がらんけん、結婚をあきらめている。

はるよしは、1年前に結婚したいと思ってアレコレとツテを探していたが、両親から『結婚相手がいないのにどうやって結婚するのかしら…むちゃくちゃ言わないでよ!!』と言われたけん、結婚をあきらめた。

つねよし(34歳)はフリーアルバイターで結婚することは考えていないと言うていたけん、両親ははるよしにお嫁さんを迎えることを決めた。

この時、アタシがはるよしと結婚することになった。

はるよしは、2031年に大船渡のセメント工場の敷地内で労災死亡起こしたあと、被害者遺族に殺されたダンプ運転手の男性のきょうだいであった。

ダンプ運転手がきよひこの父親に殺されたあと、残されたお子さまの子供総合保険の育英資金が名前の知らない女に抜き取られた事件で家が相当怒っていた。

名前の知らない女の行方は、今も所在不明のままになっていた。

アタシが責任を負う形で、はるよしと再婚して償いをするより他はないと知人から言われたので、仕方なく再婚をすることになった。

2033年6月23日頃のことであった。

はるよしと再婚をしたアタシは、まさよに代わって家庭に入ったけど、婚姻届けは出さなかった。

アタシは、家の雰囲気になじもうと一生懸命に努力をしていた。

義父母に気に入られたいと思って、料理教室に通って料理を学んだ。

やっと目玉焼きが作れるようになったけん、義母から気にいられるようになった。

つねよしも、アタシが作ってくださった料理がおいしいと言うてくださったので、結婚生活に自信がついた。

ところが、義父だけは部屋の片隅ではぶてて(ひねくれて)いた。

義父は、まさよの花嫁姿を見ることが生きがいで生きてきたけれど、アタシがお嫁に来たことに強い不満をつのらせていた。

義父は、フリーアルバイターのつねよしに対して『正業に就け!!安定した収入を稼げ!!』などと八つ当たりしていたので、父子が大ゲンカばかりを繰り返すようになった。

そして2033年6月30日、義父はとうとう家出をしたあげくに凶悪事件を起こしてしまった。

事件は、正午前に東京から新大阪へ向かう新幹線のぞみ号の中で発生した。

義父は新幹線の車中で灯油をかぶった後、火を放った騒ぎを起こした。

パニック状態におちいった乗客能力みなさまが、となりの車両へ避難を始めていた。

火は、近くにいた乗務員さんたちが消し止めたが、車両は神奈川県内で緊急停車をした後、乗客のみなさまを外へ緊急避難させた。

灯油をかぶって火をつけた義父は、焼身自殺をした。

乗客20人前後が負傷をした。

義父が事件を起こした時、義母は長電話に夢中になっていたので神奈川県警からの電話がつながらなかった。

義父が新幹線の車中で事件を起こしたことを知ったのは、その日のテレビのニュースを見た時であった。

義父が新幹線内で放火事件を起こした日を境にして、家族は深刻な対立事件を起こすようになってしまった。
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