君の隣にいるのはずっと私だと思ってた
それに朱夏はまた苛立ち本当に殴りたくなったが、仮にも尚と付き合っている彼女にそんな危害を加えれば彼に嫌われてしまう。
他の人にならいくら嫌われてもいい。尚以外の人なら嫌われてしまったら嫌だと思うかもしれないが、いつかは割りきることが出来るだろう。
でも、もし尚に嫌われてしまったら。
そのことを考えると、朱夏の心はぎゅーと締め付けられるのだ。だからこの苛立ちをどこにやればいいのかわからず、小さな子供のようにただ喚き散らすことしか出来なかった。
「私の気持ちを知っててそんなことを言うなんて、あんたってどんだけ性格悪いの? ふざけるのもいい加減にしてよ! よくもまあ、私の前でいけしゃあしゃあとそんなこと言えるね。私なら絶対にあり得ない。あっ、わかった。尚の前でだけ猫被ってるんでしょ。尚の前でだけか弱い乙女を演じてるんでしょ! じゃないと、あんたみたいな性格悪い奴なんか尚が好きになるはずない。本当にあんたってさいて……」
そこで朱夏の言葉を遮って、低い声が聞こえる。
「おい、そこまでにしろよ」
そう後ろから聞こえたので振り返るとそこには朱夏の思い人――尚がいた。
他の人にならいくら嫌われてもいい。尚以外の人なら嫌われてしまったら嫌だと思うかもしれないが、いつかは割りきることが出来るだろう。
でも、もし尚に嫌われてしまったら。
そのことを考えると、朱夏の心はぎゅーと締め付けられるのだ。だからこの苛立ちをどこにやればいいのかわからず、小さな子供のようにただ喚き散らすことしか出来なかった。
「私の気持ちを知っててそんなことを言うなんて、あんたってどんだけ性格悪いの? ふざけるのもいい加減にしてよ! よくもまあ、私の前でいけしゃあしゃあとそんなこと言えるね。私なら絶対にあり得ない。あっ、わかった。尚の前でだけ猫被ってるんでしょ。尚の前でだけか弱い乙女を演じてるんでしょ! じゃないと、あんたみたいな性格悪い奴なんか尚が好きになるはずない。本当にあんたってさいて……」
そこで朱夏の言葉を遮って、低い声が聞こえる。
「おい、そこまでにしろよ」
そう後ろから聞こえたので振り返るとそこには朱夏の思い人――尚がいた。