世界の終わりと目覚め
ドリム家の最後と王妃の死
バグニャは王妃に呼ばれた
王妃に呼ばれるのは何年ぶりかだ
塔が並ぶ建物の正面に位置する所に小さな森がある
ギボンの森だ
赤いキラキラした幹にはキラキラ光る色とりどりの葉がしげるこの木は邪気を払う力がある
ちょうど何十年に1回しか咲かない花が咲く時期で森の中はツンとした独特な臭いにみちていた
「おやめずらしいお客様ですね。」
薬師のイリナに会った
蜜を集めていたのだろう腰のかごにはオレンジ色の玉が沢山はいっている
「ひさしぶりだのイリナ。王子の容態はいかがかな?」
「順調ですよ、『ガリヤ』でお育ちになられたからか回復も早い。王妃様の病のほうが大変そうです。」
コーリン王子のことではない最近、ひきとられたカミュール王子のことだ
王が外でつくった子で精霊の血をひいているらしい
魔術の修行を理由にコーリンが飛び出し、王が外から子供を引き取りと王宮内は騒がしかった
「これをメイヤに渡してください。」
懐から瓶をいくつかだし渡される
ただの服にみえるがイリナの服のポケットには収納魔法がかけられているのでビンがでてくる
「年寄りには重い。」
葉に魔法をかけカバンにして肩にかける
「おみごと。さらに増えそうですよ。」
木の実を山ほどエプロンに乗せた少女が来るのが見える
「バグニャ様、お母様の所にいかれるならこれを持って行ってください。」
彼女はマヤ姫、光の塔『ソール』に幽閉されている姫だまた抜け出し森の中に行っていたのだろう
今度は小さな袋を二つ作る
「こちらは姫様がおあがりなされ。」
姫に渡すと嬉しそうに微笑む
その後には見慣れない聖獣がいる
「どこから連れてきたのやら。これではサイもおてあげですね。姫様送りますから聖獣を返してあげなさい。」
イリナに言われ姫は肩をすくめる
二人を見送り白い石の塀にかかる蔦をくぐる
そこはまだ火がくすぶり焼けていた
王妃の気の病は重症のようだ
「お待ちしてました。バグニャ様。」
金髪を頭に結った女性が出迎える
ネオスの城には【ナイトメア】以外は扉はない巨大な絨毯のようなタペストリーが入口にはかかっている
王妃の力の影響でタペストリーも焼けて一部を残すのみとなってしまっている
「ナターシャ、王妃様の気の病は重症のようじゃの。」
「今日は落ち着いておりますが、お病気が酷いとこのありさまです。」
ナターシャも疲れきっている
他の者は逃げ出したときいている
前きた時は鳥がとんでいたり動物がいたりにぎやかだったが今はシンとしている。
「これわなんじゃ?」
奥に行くにあたり氷がでてきた
その中には生き物が閉じ込められていた
「王妃様は最近とじこもっているのです。酷いときはエディーラ様でさえ近づけません。」
エディーラは王の守龍だ
龍の中でも力のある一族のエディでも打ち破れない
「メイヤはどうした?」
「今日は王妃様の所にいらっしゃいます。足もときをつけてください。」
あちらこちらデコボコしている。
王妃の病は酷くなっているようだ
氷の中心に王妃は座っていた
「久のおバグニャ。」
前とずいぶんと変わってしまっている
肌は青白く、瞳は暗い
「久しぶりじゃの。心があれているようじゃが?」
「あの忌々しい少女の次は男……王にはあきられるわ。」
バキバキと氷が一部われて水が吹き出す
「わらわに育てろと?忌々しいどこの女が産んだかわからぬ子供を……。あの子らのせいで妾の可愛い息子が出ていった……」
まわりの氷が溶け出し水と破片が激しく舞う
それを結合させて水をせき止めるが間に合わない
「王妃様落ち着いてください。」
ナターシャが止めに入り落ち着く
部屋は本来の白い石とキラキラ光る石の壁を見せているが鉱石がはげ落ちひどいありさまだ
「他の場所でまったほうが良いかの?」
「妾ことを占えバグニャ。」
「私は最近、力が衰えていて夢を見ません。占ならバグヤンのほうが得意です。」
闇の柱の修復に力を使いすぎたのか予知夢を見なくなった
息子達に予知夢は任せるつもりだったのでバグニャは気にしていないが
「バグヤンは妾を見た瞬間に言いおった。妾が城を滅ぼす原因をつくると。」
バリバリとまた氷がはる
「ワシもそう思うが。気のもちようでさけれる。王妃様はあのお子達を引き取ることを承知したときいておる、それは真かな?」
「あんなすごい力をもつ災いの子とは思わなかった。マヤという娘はあの原始の一族の血を引くという。あの子こそ災いぞ、けしてまぢわってはいけない血と血が流れている。きけば一族は滅びて産みの母はネプチューンにさらわれたと、なさけで助けたのにあの娘はわらわに妙なものを見せる。」
原始の一族が王とまぢわった
彼らは彼らの世界でしか生きないのだがどうやって出会ったのだろう?
「ならばマヤ姫を城から出せばそなたの気はすむと?」
「出せぬ、殺すしかない。」
おだやかではない言葉にバグニャが顔をしかめる
「とにかく妾の正しき未来を知るまでそなたはここにいるのじゃ。」
抵抗できないほどの重圧をかけられ半分氷づけになった
パサリと術者の術がきれたカバンが葉っぱになり中から蜜玉と実が転がりでた
それもやがて氷にのまれて行った。
王妃に呼ばれるのは何年ぶりかだ
塔が並ぶ建物の正面に位置する所に小さな森がある
ギボンの森だ
赤いキラキラした幹にはキラキラ光る色とりどりの葉がしげるこの木は邪気を払う力がある
ちょうど何十年に1回しか咲かない花が咲く時期で森の中はツンとした独特な臭いにみちていた
「おやめずらしいお客様ですね。」
薬師のイリナに会った
蜜を集めていたのだろう腰のかごにはオレンジ色の玉が沢山はいっている
「ひさしぶりだのイリナ。王子の容態はいかがかな?」
「順調ですよ、『ガリヤ』でお育ちになられたからか回復も早い。王妃様の病のほうが大変そうです。」
コーリン王子のことではない最近、ひきとられたカミュール王子のことだ
王が外でつくった子で精霊の血をひいているらしい
魔術の修行を理由にコーリンが飛び出し、王が外から子供を引き取りと王宮内は騒がしかった
「これをメイヤに渡してください。」
懐から瓶をいくつかだし渡される
ただの服にみえるがイリナの服のポケットには収納魔法がかけられているのでビンがでてくる
「年寄りには重い。」
葉に魔法をかけカバンにして肩にかける
「おみごと。さらに増えそうですよ。」
木の実を山ほどエプロンに乗せた少女が来るのが見える
「バグニャ様、お母様の所にいかれるならこれを持って行ってください。」
彼女はマヤ姫、光の塔『ソール』に幽閉されている姫だまた抜け出し森の中に行っていたのだろう
今度は小さな袋を二つ作る
「こちらは姫様がおあがりなされ。」
姫に渡すと嬉しそうに微笑む
その後には見慣れない聖獣がいる
「どこから連れてきたのやら。これではサイもおてあげですね。姫様送りますから聖獣を返してあげなさい。」
イリナに言われ姫は肩をすくめる
二人を見送り白い石の塀にかかる蔦をくぐる
そこはまだ火がくすぶり焼けていた
王妃の気の病は重症のようだ
「お待ちしてました。バグニャ様。」
金髪を頭に結った女性が出迎える
ネオスの城には【ナイトメア】以外は扉はない巨大な絨毯のようなタペストリーが入口にはかかっている
王妃の力の影響でタペストリーも焼けて一部を残すのみとなってしまっている
「ナターシャ、王妃様の気の病は重症のようじゃの。」
「今日は落ち着いておりますが、お病気が酷いとこのありさまです。」
ナターシャも疲れきっている
他の者は逃げ出したときいている
前きた時は鳥がとんでいたり動物がいたりにぎやかだったが今はシンとしている。
「これわなんじゃ?」
奥に行くにあたり氷がでてきた
その中には生き物が閉じ込められていた
「王妃様は最近とじこもっているのです。酷いときはエディーラ様でさえ近づけません。」
エディーラは王の守龍だ
龍の中でも力のある一族のエディでも打ち破れない
「メイヤはどうした?」
「今日は王妃様の所にいらっしゃいます。足もときをつけてください。」
あちらこちらデコボコしている。
王妃の病は酷くなっているようだ
氷の中心に王妃は座っていた
「久のおバグニャ。」
前とずいぶんと変わってしまっている
肌は青白く、瞳は暗い
「久しぶりじゃの。心があれているようじゃが?」
「あの忌々しい少女の次は男……王にはあきられるわ。」
バキバキと氷が一部われて水が吹き出す
「わらわに育てろと?忌々しいどこの女が産んだかわからぬ子供を……。あの子らのせいで妾の可愛い息子が出ていった……」
まわりの氷が溶け出し水と破片が激しく舞う
それを結合させて水をせき止めるが間に合わない
「王妃様落ち着いてください。」
ナターシャが止めに入り落ち着く
部屋は本来の白い石とキラキラ光る石の壁を見せているが鉱石がはげ落ちひどいありさまだ
「他の場所でまったほうが良いかの?」
「妾ことを占えバグニャ。」
「私は最近、力が衰えていて夢を見ません。占ならバグヤンのほうが得意です。」
闇の柱の修復に力を使いすぎたのか予知夢を見なくなった
息子達に予知夢は任せるつもりだったのでバグニャは気にしていないが
「バグヤンは妾を見た瞬間に言いおった。妾が城を滅ぼす原因をつくると。」
バリバリとまた氷がはる
「ワシもそう思うが。気のもちようでさけれる。王妃様はあのお子達を引き取ることを承知したときいておる、それは真かな?」
「あんなすごい力をもつ災いの子とは思わなかった。マヤという娘はあの原始の一族の血を引くという。あの子こそ災いぞ、けしてまぢわってはいけない血と血が流れている。きけば一族は滅びて産みの母はネプチューンにさらわれたと、なさけで助けたのにあの娘はわらわに妙なものを見せる。」
原始の一族が王とまぢわった
彼らは彼らの世界でしか生きないのだがどうやって出会ったのだろう?
「ならばマヤ姫を城から出せばそなたの気はすむと?」
「出せぬ、殺すしかない。」
おだやかではない言葉にバグニャが顔をしかめる
「とにかく妾の正しき未来を知るまでそなたはここにいるのじゃ。」
抵抗できないほどの重圧をかけられ半分氷づけになった
パサリと術者の術がきれたカバンが葉っぱになり中から蜜玉と実が転がりでた
それもやがて氷にのまれて行った。