世界の終わりと目覚め
ネオス王国

命の川を守る者

はじまりの龍から二匹の龍が産まれたという
額に角がついた龍は始まりの鳥と結ばれた
やがて原始の岩から一筋の光の川が生まれた
大地がもちあがりやがて空間にとびたった
それが『ネオス王国』の中心と下にある三つの球体の中心だと言う


               ☆
広い部屋の天井に広がる空間そこに写し出されるのはラベンダー色に桜色がほんのりまじっている空間
中心には銀色の渦をまとう金色の球体
渦の中に埋もれるように左に青に緑のぶちがついたような球体
右に赤い球体がある
その中心の柱に男性は手をあてた
足元から広がる光のうずは魔力の源になる光
これと『ネオス王国』の魔力を持つ者の管理が彼の仕事だ
ホセ.アマリリス彼の名前だ
もう年老いた体には各地を廻り魔術の管理はつらい  
国を回るのは長男にまかせ彼はこの川のように流れるエネルギーの管理をしていた
光が細くなっている部分をみてため息をつく
また闇が広がっている。
ここのとこ魔獣や闇に落ちる者が増えている
王は自由な遊び人、民を知るには民の中にいるべきだというが女遊びをするのはいただけない
若かった王に遊びを教えたのはホセかと思うと怒れない
守人の仕事は長男のドニーがやってくれていた魔法書や民の暮らしの研究がホセの趣味だった
剣術と文様術をあわせた魔術を成功させ国を襲った闇の者を倒した時から人生が変わった
魔術師から国民から英雄とあがめられ有頂天になっていた
自由に遊び歩き、時には魔獣を退治する
家の定めも政治も知ろうともしなかったホセは知らなかった
『ネプチューン王国』と『ネオス王国』のエナジーがまじわう空間に巨大な空間のひずみができ異世界からの負の産物が現れたことを……
巨大な闇の渦は『ネプチューン王国』を駆けめぐった
『ミィスリル』、『ガリア』、『カルー』に襲いかかる渦と影響され狂った龍族をくい止めるために戦ったドニーは命を落とした
年老いた父も病になりホセが『守人』をつぐことになった
やがて導きで今の妻、エリーゼと出会い子供をもうけた
外で出来た子も引き受け育ててくれた優しい情の深い妻だ
「また見てるだけかよ?」
次男のジュディだ
次男と言ってもある女性との子供で彼は長男と年は同じだ
「見てるだけではないエナジーの声をきいている。」
見事な金髪は母ゆずりだそれを高く結わえている
のぞく耳はとんがっていてそこから赤い毛が生えている
産まれても育つのが奇跡といわれる龍の血をひいている息子だ
「外に出ないのに聞こえるものか。俺は精霊からたくさんきいているあんたがおかした過ちもね。」
精霊に好かれるのにホセの前ではこの調子だ
あのまま本当の母の元へ置いておくべきだったかと思う
龍族は人とまぢわう事を良しとしない
ハーフの子は産まれてから殺される
ただ生きる道はある
『ネプチューン王国』に逃れることだ
あちらで龍族のヒト型の者が住まう場所があるという
「出ていきなさい。ここは聖なる場所だ。」
「ヘイヘイ、穢れた血は出て行くよ。ここだけじゃなくてネオスからな。」
またイジメられたようだ
「いつかはあんたも俺を追い出した連中も後悔することになる。」
一瞬激しい力の光が舞った
エナジーがゆれた
「ジュディなんてことをするんだ。」
後ろを向いた息子のまわりに闇のにごりが見えた
激しい風と炎が舞
すぎた時には息子の姿は消えていた
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