君に恋するのは危なすぎる
「ほら、行くよ」
わたしはとにかく急いでキャリーケースに
荷物を詰め込んで、彼によって車に乗せられる。
ふわっと肩にかけられた毛布は暖かくて
力の入った身体はどんどんと
力なく隣に座る彼に倒れ込む。
「......っ!.....大丈夫かよ......
......って大丈夫なわけないよな」
「......ど....して......?」
どうして彼はわたしの所に来たの?
なんで?
わたしはあなたにもう会わないと決めて
連絡先も捨てたのに。
「......まだ、お礼貰ってないから」
「......ははっ.....わたしが死んだらお礼
出来ない......ですもんね......」
ごちゃごちゃな頭の中で
彼の言葉でさえ、まともに受け止められない。
「うん、ほんとだよ
あんたが死んだら何もかも叶わねーんだよ」
「......叶う?」
「......あーーもう」
「お礼さ、俺の傍にいてよ」
ねぇ、神様?
どうして神様は彼とわたしを出逢わせたの?
これは運命ですか?偶然ですか?