君に恋するのは危なすぎる
クリスマス
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「ここ、自由に使って」
彼が開けた部屋は
白くて小綺麗でとてもわたしが
居座らせてもらうところじゃない......
「こんな広いところ......わたし......っ」
「いーから!
ベットとか机とかは明日には
手配してあるからとりあえず今日は
俺の部屋で寝て?」
「.....っ、あ....ありがとうございますっ」
「......あ」
いきなり振り返って
私の目の前でピタッ止まる。
「ど、どうかしました......か?」
「んー、敬語禁止」
「......えっ」
「あと、さっきから俺の名前意識的に
読んでないみたいだけど、」
......ギクッ
だってなんて呼ぶのが
いいのかわかんないんだもんっ......
「......恭也......でいーから」
そう彼は少し照れくさそうに言う。
......っていきなり呼び捨て?
無理無理!!無理!!!
命の恩人を呼び捨てなんで出来ない!!
「じゃあ、恭也さんで......」
「........っ!!さん!?」
「い、いや......いきなり呼び捨てはちょっと......」
恭也さんは少し難しい顔をして、
「......でも、俺ら同級生だし?」
「え?」
「ほら」
恭也さんがわたしに見せてきたのは、
ネクタイに刺されたピンだった。
......あっ
この学校の制服は直ぐに学年が分かるように
色で分けてあるんだっけ......
わたしはたしか赤ーーーーー
......っ!これも赤ってことは
「同じ学校で同じ学年って
ちょっと運命的?」
「だから......ね?
恭也さんじゃなくて......」
グッと怪我のしていない右手を引き寄せられる
「......言って?」
「......っ!」
あまりの顔の近さに、ドキドキする。
でも......っ
「...........恭也くんっ」
「......はい、よくできました」
恭也くんは、私の頭をポンっと撫でる。
「じゃー、ゆっくり休んでね、
詩乃」
「......っ!?!」
恭也くんはわたしをからかうように笑った。