君に恋するのは危なすぎる


「お風呂、ありがとうございましたっ」

「わっ......っ!あー、っと
風邪ひかないように髪の毛しっかり乾かしてね」




彼は少し動揺した様子で
私にドライヤーを渡す。




「あっ、あの!
わたし......どうお礼したらいいものかっ......」



わたしは思わず、彼の手をぎゅっと掴む。



「お礼......?」


「はいっ! ......わたし昨日あんなにボロボロで......
こんな優しい人に助けて貰えるなんてっ......」




「......優しい人......か......」

「......?」



彼は一瞬曇った顔をしたけど、



「じゃあ、今度お茶しに付き合ってよ」

「.....えっ!?そ......そんなんじゃっ.....!」



「いーーのっ!ほら、風邪引くよ?」




彼は私の濡れた髪の毛を手で触れて、
少し考えている。




「あのっ......?」


「......左手痛むだろうから俺が乾かすね」


「へっ......!?」




あまりに急な提案に思わず体が跳ねる。



「それはあのっちょっと......っ!?」
私の抵抗は、難なく跳ね返されて、
ソファにストンと座らせられる。




彼の私の髪に触れる手は優しくて、




無性に



ドキドキする



しかも、この人近くで見ると一層綺麗......


透き通った目にふわふわ揺れる髪の毛
消えちゃいそうなほど透明感のある肌



綺麗な人......




わたし、今凄く幸せかも......

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