外国人と結婚します!
アレッサンドロさんは何かを察したのか、何も言わなかった。代わりに退屈しないようにしてくれる。

アレッサンドロさんが借りてきてくれたのは、話題になったコメディ映画。いつもの心だったら、何度も笑っているんだろうな。なんでこんなに元気が出ないんだろ……。

「う〜ん……。ちょっと早いけど……」

映画が終わった後、私の横顔を見てアレッサンドロさんが呟く。その顔は少し困ったような、でも何か覚悟を決めたような表情で、こんな時でもドキッとしてしまう。

「桜はちょっと寝室にいてね」

アレッサンドロさんは私を抱き上げ、寝室のベッドの上に座らせる。

「どうしてここにいないといけないの?」

「すぐにわかるよ」

アレッサンドロさんは、私に優しくキスをする。唇はしばらく重なったまま、離れなかった。

アレッサンドロさんは寝室を出て行く。私がドアの前で耳を立てると、調理をする音やテーブルの上に何かを置く音などが聞こえてきた。
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