もしかしたら君が、愛をくれたりして。
「あーちゃんの家、また行けるのかぁ」
そういう春太に、あたしは深いため息をついて、
「誰も誘ってなんかいません!」
と言った。
「でも、泊まっていいんでしょ? 俺、分かるよ! だって、あーちゃんいつも断らないじゃん」
調子に乗っている春太を見て、あたしは肩をすぼめる。
「あのねー、春太。あたしの身にもなってよ」
「ごめんごめん。迷惑にならないようにするって」
「本当に!?」
「うん、もちろん!」
この余裕そうな笑顔がかえって心配だ。子供の頃だって、似たようなことが一度あった。春太は、彼のお母さんに怒られて、あたしもお母さんと苦笑いしていたんだっけ。