もしかしたら君が、愛をくれたりして。
もうこんな時間だ。夕飯の材料を買いに行かないと。
「じゃあ、あたしスーパー行ってくる」
「えっ?」
春太ったら、一体何を不思議に思っているんだろう。あたしがスーパーに行くだなんて、いつものことだというのに。
「『えっ?』って……。夜ご飯買いに行くに決まってるでしょ。どうかしてるんじゃないの?」
「今日は俺が行くって伝えたじゃん」
「……は? そんなこと言った?」
泊まることが決定したのが昨日。
ただ春太が『泊まっていい?』と聞いただけで特に何も言っていなかったはずだ。
「メール見てないの? 俺が作るって言ったのに。どうかしてるのは、そっちじゃんか。朱莉」
ふてくされたような表情をして言う春太。
あたしは、そばにあった携帯を取り出して、メールボックスを見た。
確かに春太から1件のメールが来ていて、『今日は俺が晩飯作るから、あーちゃんはゆっくりしててね』と書かれてある。
「本当だ……」
「ほらね?」
「ごめんなさい、見忘れちゃった」
勝手に怒っていた自分が恥ずかしくなった。春太は、親切にあたしのことをゆっくりさせるように、しようとしてくれただろうに。