もしかしたら君が、愛をくれたりして。
「ただいま、あーちゃん!」
あれから10分くらいして、春太が白い箱を片手に戻ってきた。
「一体、どこ行ってたの?」
「まあまあ、来てよ」
そういいながら、彼はあたしの腕を空いている手で掴み、食堂へと引っ張った。
「え!? ちょ、ちょっと! い、い……。苺タルト……?」
彼が持っていた白い箱を開けて、あたしはぽかんとして口を開けた。
「ん? 遠慮なく食ってよ。つーか、これがお仕置きなんだけど」
戸惑っているあたしに対して、彼は何でもないという風に言っている。
「あの……。あたしさ……」
「知ってる。太らないように晩ご飯の後のデザート控えてるって」
「じゃあ、なんでこんなの買ってきたの?」
「苺タルト、好きじゃん。それに朱莉、細いから1回ぐらい食べても問題ないって」
また拗ねたみたいに、口を尖らせた。