PM9:00 光ヶ丘公園で。
ふわっと体が軽くなったかと思えば目の前には血だらけの自分。
死んだというのに俺は結構冷静で。
『あ、死んだのね。』
そこまでしか思わなかった。
ただ1つだけの心残りはあったけれど。
「れ…ん…?」
ごめんなぁ、燐。
いつもみたいに肩を引き寄せて、精一杯温もりを与えてやりたいのに。
『クッソ…』
やっぱり、俺は幽霊らしい。
『触れらんねぇ…』
いくら肩に触れようとしても、すり抜けていく。
『はぁ…』
思い残す事、あり過ぎたな。
もうちょっとだったのに。
"あの人"との約束を果たすまで。