あなたと・・

「蒼が入院した日が一番ひどくてな
一晩中、泣いていた。
抱いても、声かけてもダメで
亮と二人で、一晩中、
抱いて、あやした。

朝になるとやっと寝てくれて
ただ、俺か亮がそばにいないと
不安で、眠くても、目を擦りながら
ずっとついて回っていた。

翌日からは、
夕飯を取り
風呂に入り
本を読んで
ベッドに一緒に入りと
抱きしめて寝るようにしたんだ。

塁は、俺の服を握って
離さないから
朝まで一緒にいるようにした。

まあ、夜泣きと言うのかな?
夜泣きは、毎日だけど
だんだんと初日ほどでは、
なくなっていった。

だから、不安にならないように
塁が、俺か亮に常に
触れていられるようにしていた。

まあ、寝るのは、俺とだがな。

ここのとこ、なかったが
急に一人になったからだな。

俺が、きちんと蒼に
話してなかったのが
いけなかった。
すまない、びっくりさせたな。」
と、言うと
蒼は、涙を流しながら
塁を不安にさせたことを詫び、
俺と亮が
どれだけ大変だったか・・・と
お礼を言いながら
「本当に、
塁は浩介さんがいないと、
ダメみたいですね。」
と、塁の頭を撫でながら言った。

俺は、
「塁が、俺に懐いているのと
蒼自身の気持ちは別だ。

塁に合わせて俺の事を考えることは
ないからな。
俺は、お前が俺を選ばなくても
塁のことはきちんとみる。」
と、言うと
「クスクスっ、強引かと思えば
違っていて・・・・」
と、笑う蒼に
「いやっ、もちろん
蒼に好きになってもらいたい。
俺を見てほしいと
思っている。」
と、慌てて・・・・・言うと
「うふっ、はい。
改めて・・・まして・・・ですが、
浩介さんは、こんな、わ‥‥‥」

俺は、蒼に嫌なことを思い出させない
ように、蒼の言葉を妨げて

「俺はな、蒼、お前がいいんだ。
こんなも、どんなもない
松田 蒼が、好きなんだ。」
と、気持ちを伝える俺に
涙を拭きながら
「うん、うん。ありがとうございます。
私も浩介さんと一緒に居たい。
一緒にいて、安心できて
心が温かくなれる男性は
浩介さんが初めてなんです。
‥‥‥‥‥す‥‥きっ‥‥です‥‥‥」
と、言われて
声が出ずにいると

「‥‥ん?‥‥浩介さん?浩介‥‥さん‥‥」

俺は、塁をそっとソファーに
寝かせて、蒼を抱きしめ

「ありがとう、ありがとう。
蒼を‥‥‥塁を‥‥‥‥必ず、幸せにする。
俺の全ての力を使って守るから。
ずっと、一緒にいてくれ
結婚してほしい。」
「えっ、結婚?」
「なんだ、いやか?」
「もぅ、クスクスっ、やはり、強引?」
「やっと、やっと、俺のものに
なったんだ、手放すわけない。」
「はい。私と塁を浩介さんの
家族にしてください。」
「本とか?本当だな?
明日、塁にも確認する。」
「はい。塁は喜ぶだけでしょうが。」
と、言うから
一度、抱きしめて
蒼にキスをする
軽いキスから
深い‥‥‥深い‥‥キスを‥‥
「んっ‥‥‥‥ん‥‥」
「‥‥あお‥いっ‥‥あい‥‥して‥る‥」
「‥‥‥こうす‥‥け‥‥さん‥‥んっ‥‥」
「このまま、抱きたいが
      今は、我慢する。」
と、言うと
蒼は、真っ赤になっていた。

今日は、浩介のベッドに
塁を挟んで、三人で寝る事にした。


浩介は、寝るまで
何度も蒼にキスを繰り返し
蒼から
「唇が腫れそう。」
と、笑われてしまうほど・・だった。
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