あなたと・・
新たな命
入籍して
ひと月、ふた月が過ぎ・・・
蒼と塁との生活も順調で
毎日が楽しく過ぎていった。
蒼の心の方も
日に日に快復してきた。
まだ、男性とは無理だが
女性とは、話をすることが
できるようになってきた。
俺としては、
男性は、無理で構わないのだが
懐の狭い奴だと
思われたくないし
心療内科には、まだ通っている。
塁は、学校が楽しいらしく
俺が帰宅すると
沢山の話をしてくれる。
俺と塁が話すのを
蒼は、嬉しそうに
聞いている。
そんな生活が
一年を過ぎた時
一周年記念で塁と亮と俺達夫婦で
食事に出掛けた。
塁と亮から
「おめでとう、父ちゃんとママ。」と、塁
「おめでとうございます。
浩介さん、蒼さん。」と、亮
「ありがとう、塁、亮」
「亮さん、ありがとうございます。
そして、塁、ありがとう。」と、蒼
四人で乾杯をして
沢山食べた。
「あの・・:」
と、蒼が・・・・
「どうした?」
と、俺が訊ねると
「浩介さん、ごめんなさい。
いつ、言ってよいのか
悩んで・・・・」
と、言うから
「いやっ、まて、まて、待て
変な事なら、聞かないぞ。」
と、騒ぐ俺に蒼も慌てて
「あっ、ちっ、違う、違いますよ。」
と、言い
「まあまあ、浩介さん落ち着いて」
と、亮に言われて
蒼を見ると
「あの・・・・実は・・・・
アカ・・チャンガ・・・・」
「‥‥‥えっ‥‥‥ほんと‥‥‥か‥‥‥?」
「はい、三ヶ月と。」
「やったー!!」
「なに、なに、なに?」
と、俺と蒼を見て
キョロキョロしている塁に亮が
「ママのお腹の中に
塁の妹か、弟がいるって」
「えっ、ほんと?
父ちゃん、ママ?」
「ああ、ほんとだ。
塁、頼むな!!」
「うん、塁、喜んでくれる?」
と、浩介と蒼が言うと
「うん、僕、お兄ちゃんだ。
ママ、ありがとう。
僕、嬉しい!!」
と、手を叩いて喜ぶ塁に
四人で改めて、乾杯をした。
それからの・・・・浩介さんの・・
過保護度は、異常差を増した。