海の景色が変わる頃には…
その男の子は同い年くらいなのに大人と一緒じゃなくて1人で、少し不自然だったのを覚えている。
「海に子供だけで行ったらダメだって学校の先生が言ってたよ!」
突然男の子が私にそう言った。
「知ってるよ。秘密だもん。でも自分だって子供1人じゃん。」
「俺はエラいからいーのっ!」
「え!?そうなの!?すごい!」
「だろ?お前1人でかわいそうだから俺が一緒に遊んでやるよ。」
「うん!私、凛っていうの!」
「俺、けんた!」
「じゃあ…けんちゃんだね!」
「…じゃあお前は、りーだな!」
「えー!やだ!りーちゃんがいい!」
「ダメー!エラい人の言う事は聞かないとダメですー!」
「えー!!やぁーだー!!」
「ダメーーー!!!」
―…
「すげーな!!俺ら!…あっ!!」
そう言った後、すぐ高橋は自分の自転車まで走って行きカバンに入っていたコーラを持って来た。
「感動の再会を祝してー…!」
そう言いながら思いっきり缶を振った。
「かんっっぱーーーーーい!!!!」
プシュ――――ッ!!!!
「ちょっと!!何すんのよ!!」
噴き出したコーラが上から降って来た。
「だって、お祝いって言ったらこれじゃね?」
「てか、乾杯になってないし!」
「はははっ!まぁ、いんじゃね?」
コーラでベトベトになった肌が気持ち悪かったけどなんだかとても楽しくて2人でコーラをかけ合って笑った。
~♪
私のスマホが鳴り、スマホを見ると「玉置凌」の文字が目に映った。
「玉置じゃん。出ないの?」
高橋がスマホを覗き込んで言った。
「…うん。」
「ふーん」
凌からの着信はすぐに終わった。私がスマホをポケットにしまうと「そろそろ帰ろっか!」と高橋が立ち上がりながら言った。
「え?あ!そうだね!」
「あー!!腹減った!送るよ。家、この近く?」
「いいよ、近いし。」
「そっか。ま、変態が出てもお前の睨みで一発だな!あー怖っ!」
「…っるさいなぁー!!」
そういう会話をしながら木のトンネルを抜けて国道に出た。ここから高橋とは逆方向らしい。
「明日は途中で帰んなよ!」
「分かってるよー!」
私がそう答えると高橋はニカっと笑って帰って行った。
明日はきっと大丈夫。
何の根拠も無いけど不思議とそう思えた。
次の日、私が教室に入ると由香はまだ来ていなかった。凌の席には相変わらず例の女子がいる。
「はぁー…」
ため息をついてカバンを机に置いた。
「おはよー!」
後ろから高橋の声がした。
「あっ!おはよ!」
「朝からすっげーため息!!」
そう言って高橋はケラケラ笑った。
「つかさー、俺、凛にお願いがあるんだわ。」
「なに?」
「学校案内してくんね?」
「は?先生が凌にって言ってたじゃん」
「海に子供だけで行ったらダメだって学校の先生が言ってたよ!」
突然男の子が私にそう言った。
「知ってるよ。秘密だもん。でも自分だって子供1人じゃん。」
「俺はエラいからいーのっ!」
「え!?そうなの!?すごい!」
「だろ?お前1人でかわいそうだから俺が一緒に遊んでやるよ。」
「うん!私、凛っていうの!」
「俺、けんた!」
「じゃあ…けんちゃんだね!」
「…じゃあお前は、りーだな!」
「えー!やだ!りーちゃんがいい!」
「ダメー!エラい人の言う事は聞かないとダメですー!」
「えー!!やぁーだー!!」
「ダメーーー!!!」
―…
「すげーな!!俺ら!…あっ!!」
そう言った後、すぐ高橋は自分の自転車まで走って行きカバンに入っていたコーラを持って来た。
「感動の再会を祝してー…!」
そう言いながら思いっきり缶を振った。
「かんっっぱーーーーーい!!!!」
プシュ――――ッ!!!!
「ちょっと!!何すんのよ!!」
噴き出したコーラが上から降って来た。
「だって、お祝いって言ったらこれじゃね?」
「てか、乾杯になってないし!」
「はははっ!まぁ、いんじゃね?」
コーラでベトベトになった肌が気持ち悪かったけどなんだかとても楽しくて2人でコーラをかけ合って笑った。
~♪
私のスマホが鳴り、スマホを見ると「玉置凌」の文字が目に映った。
「玉置じゃん。出ないの?」
高橋がスマホを覗き込んで言った。
「…うん。」
「ふーん」
凌からの着信はすぐに終わった。私がスマホをポケットにしまうと「そろそろ帰ろっか!」と高橋が立ち上がりながら言った。
「え?あ!そうだね!」
「あー!!腹減った!送るよ。家、この近く?」
「いいよ、近いし。」
「そっか。ま、変態が出てもお前の睨みで一発だな!あー怖っ!」
「…っるさいなぁー!!」
そういう会話をしながら木のトンネルを抜けて国道に出た。ここから高橋とは逆方向らしい。
「明日は途中で帰んなよ!」
「分かってるよー!」
私がそう答えると高橋はニカっと笑って帰って行った。
明日はきっと大丈夫。
何の根拠も無いけど不思議とそう思えた。
次の日、私が教室に入ると由香はまだ来ていなかった。凌の席には相変わらず例の女子がいる。
「はぁー…」
ため息をついてカバンを机に置いた。
「おはよー!」
後ろから高橋の声がした。
「あっ!おはよ!」
「朝からすっげーため息!!」
そう言って高橋はケラケラ笑った。
「つかさー、俺、凛にお願いがあるんだわ。」
「なに?」
「学校案内してくんね?」
「は?先生が凌にって言ってたじゃん」