海の景色が変わる頃には…
ジュースで乾杯をした後から部屋を出るまでの2時間は大盛り上がりであっという間に時間が過ぎた。
4人で店を出た瞬間、道の反対側を凌が歩いていた。
凌の隣には前私が見た子とは違うN高の制服を着た綺麗な人がいた。手を繋いでニコニコ笑う凌…。
学校を休んで1人で考えてる間、私は凌に愛されてなかった事はよく分かった。
でも実際由香が言った事が本当かどうか半信半疑だった。でも今はっきりと分かった…。
その時、不思議と悲しいという感情は無かった。
「由香!帰ろ!」と私が由香の手を引っ張ると高橋が「えー!もう帰んの!?」と
不満気に口を尖らせた。
「ごめんね!また今度!」
由香が高橋にそう断って2人と別れた。
「凛、ごめんね。私がカラオケなんて誘わなかったらあんなの見なくてすんだんだけど…」
由香が申し訳なさそうに言った。
「あ…凌の事?違うよ!確かに少しだけショックだったけどもう『やっぱりね』っていう感情の方が大きかった。だから逆にあれ見て良かったよ!何か吹っ切れた感じするし。ありがとう!」
私がそう答えると由香は「そっか」と笑顔になった。
由香とも別れた後いつもよりゆっくり海まで歩いた。昼間はまだ暑いけど10月に入るとさすがに日が暮れるのも少し早くなり夕方はひんやりとした風が吹く。
海について坂から下を見下ろすとなぜか高橋が砂浜でキョロキョロしていた。その光景が何だか面白くて砂浜まで降りていき声をかけた。
「何してんの?」
「うおっ!い…いや…えっと…探し物!」
「手伝おうか?」
「え?いや、いいよ!どうせ広いし見つかんねーよ!」
そう言うと高橋が砂浜に座ったから私も隣に座った。いつもみたいに他愛もない話の途中、
「ねぇ、そろそろ高橋って呼ぶのやめてくんね?」
とため息混じりに高橋が言った。
「んじゃ…けんちゃん?」
私がニヤニヤして言うと
高橋は少し焦りながら
「嫌だよ!恥ずかしい!健太でいいじゃん!!」と拒否した。
「いいじゃん別にー。私の事も昔みたいに、りーって呼んでいいからさぁ!」
「いや、別にいいし!」
「何それー!!じゃあもう呼ばない!ね?高橋!」
「あー!もう分かった!!
好きにすればいいよ!!」
「いぇーい!私の勝ちー!」
そう言って私が笑うとけんちゃんは「なんだそれ!」と一緒に笑ってくれた。
帰り道、辺りはすっかり暗くなってしまっていた。
いつも通り「送ろうか?」と言ってくれるけんちゃんにいつも通り「いいよ」と断った。
4人で店を出た瞬間、道の反対側を凌が歩いていた。
凌の隣には前私が見た子とは違うN高の制服を着た綺麗な人がいた。手を繋いでニコニコ笑う凌…。
学校を休んで1人で考えてる間、私は凌に愛されてなかった事はよく分かった。
でも実際由香が言った事が本当かどうか半信半疑だった。でも今はっきりと分かった…。
その時、不思議と悲しいという感情は無かった。
「由香!帰ろ!」と私が由香の手を引っ張ると高橋が「えー!もう帰んの!?」と
不満気に口を尖らせた。
「ごめんね!また今度!」
由香が高橋にそう断って2人と別れた。
「凛、ごめんね。私がカラオケなんて誘わなかったらあんなの見なくてすんだんだけど…」
由香が申し訳なさそうに言った。
「あ…凌の事?違うよ!確かに少しだけショックだったけどもう『やっぱりね』っていう感情の方が大きかった。だから逆にあれ見て良かったよ!何か吹っ切れた感じするし。ありがとう!」
私がそう答えると由香は「そっか」と笑顔になった。
由香とも別れた後いつもよりゆっくり海まで歩いた。昼間はまだ暑いけど10月に入るとさすがに日が暮れるのも少し早くなり夕方はひんやりとした風が吹く。
海について坂から下を見下ろすとなぜか高橋が砂浜でキョロキョロしていた。その光景が何だか面白くて砂浜まで降りていき声をかけた。
「何してんの?」
「うおっ!い…いや…えっと…探し物!」
「手伝おうか?」
「え?いや、いいよ!どうせ広いし見つかんねーよ!」
そう言うと高橋が砂浜に座ったから私も隣に座った。いつもみたいに他愛もない話の途中、
「ねぇ、そろそろ高橋って呼ぶのやめてくんね?」
とため息混じりに高橋が言った。
「んじゃ…けんちゃん?」
私がニヤニヤして言うと
高橋は少し焦りながら
「嫌だよ!恥ずかしい!健太でいいじゃん!!」と拒否した。
「いいじゃん別にー。私の事も昔みたいに、りーって呼んでいいからさぁ!」
「いや、別にいいし!」
「何それー!!じゃあもう呼ばない!ね?高橋!」
「あー!もう分かった!!
好きにすればいいよ!!」
「いぇーい!私の勝ちー!」
そう言って私が笑うとけんちゃんは「なんだそれ!」と一緒に笑ってくれた。
帰り道、辺りはすっかり暗くなってしまっていた。
いつも通り「送ろうか?」と言ってくれるけんちゃんにいつも通り「いいよ」と断った。